プログラミング必修化をどう見るか

なぜプログラミングの必修化が必要か

イノベーションを起こすには裾野を広げなければなりません。イノベーションと言うと一人の天才が行っていることのように思われがちですが、実際はもっととてつもない人数が関わっています。

世間は一人の天才がとんでもない発見をして世界を変えたと言う種の話がとてつもなく好きなようですが、実態は違います。例えば世界のコンピューターは全部フォン・ノイマンが作った仕組みで動いていると言う話や、スマートフォンやGUIという革新的な技術は全てジョブズの頭の中から取り出されたと言う話はかなり脚色されています。

ノイマン型コンピューターはとてつもない人数が関わっていますし、むしろアラン・チューリングが貢献したのでは無いかと言う話もあります。理論の確立を含めれば、ブールやライプニッツと言った数学界のビッグネームも貢献しています。スマートフォンの原型は間違いなくPDAですし、ジョブズ以前にもネットワーク通信機能と電話機能を併せ持つスマートフォンと呼べる製品もありました。GUIはジョブズが作る以前に既にありました。

実際にイノベーションに関わる人はとてつもなく多いですし、ほとんど例外なく既存のものを良くしたり、別のところで用いられている考え方を導入する形で行われています。「一人の天才」のモデルは彼らが単にキャッチーな天才で世間がそういったモデルを求めているというだけの話です。

また、イノベーションを起こす側をリーダーと呼ぶのに対して支持する側をフォロワーと呼びますが、リーダーがリーダー足りえるのはフォロワーが居てこそです。技術の価値を理解する圧倒的なフォロワーがいなければそもそもイノベーションは起こってくれません。アメリカは昔から国民レベルでITに関心が高く、革新的なことをしてくれるイノベーションのリーダーを待ちわびる圧倒的多数のフォロワーという革新の土壌が形成されています。

また、国民のITへの関心の高さから、IT企業にはアメリカトップクラスの優秀な頭脳が続々と集まります。アメリカのシリコンバレーは国民のITへの高い関心が作り出していると言っても過言ではありません。日本も当然プログラミング教育を今すぐ必修化し、プログラミングとは何かということを知らしめ、IT系の人材やフォロワーの層を厚くするべきなのです。

日本のシステムエンジニアの現状

現在の日本ではシステムエンジニアの待遇が非常に悪く、5本の指には入るほどブラックな業界です。プログラミング教育の必修化にはそういった待遇を改善する力もあると思います。

システムエンジニアの待遇が悪いと言われる理由として、発注側がプログラミングのことを全く理解していない点が挙げられます。一度やってみればわかりますがプログラミングは非常に骨が折れます。プログラマはプログラミングそのものにも頭を使いますし、常に新しい技術を追っていなければなりません。それを理解していない人たちがそういった高度な労働力を平気で買い叩きますし、理不尽なタイミングで仕様変更を言い渡したりします。どうやらそういう人たちはアプリケーションがキーボードを叩くだけで簡単に出来るものだと思っているようです。

そういった現状を根絶するためには、プログラミング必修化は大きな効果を発揮すると思います。どのような事実と照らし合わせても、やはり日本にはプログラミングとは何かを義務教育として教える必要があります。

何をやらせるべきか

プログラミング必修化と言っても何をやらせるのかによって全く結果は変わるでしょう。相手は小学生ですし、とにかく分かりやすく、かつすぐに見栄えの良い成果が出るものでなければプログラミングが嫌いになってしまうでしょう。幸い現在の文部科学省の計画ではスクラッチというGUI操作の教育的な言語が導入される見通しで、この条件はクリアされています。一体どのような教育がなされるのか興味がそそられるところです。

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