IBMはnVidiaと協調してディープラーニーング向けコンピューター市場を狙う、NVlinkでnVidiaのGPUと繋がるPower8搭載サーバー登場

nVidiaの圧倒的なHPC、ディープラーニーング市場シェア

HPCやディープラーニーングの市場でnVidiaが屈指のシェアを誇っていることを疑う者は居ないでしょう。右に出るものは居ないと言っても過言では無いかも知れません。特に今後市場が大きく伸びるであろうディープラーニーングについては単精度演算がフル活用できるので、GPUと相性が良く、nVidiaがほぼ独占的な地位に居ることは間違いありません。HPC分野でGPGPUと言うと倍精度浮動小数点数演算能力がネックになる計算が注目されがちですが、単精度で良い計算と言うのは実は多いです。そういった計算がある限りnVidiaがHPC市場から引きずり降ろされることはまず無いです。

IBMはフラッグシップのPowerシリーズでnVidiaのGPUとの親和性を上げてきた

IBMはフラッグシップチップであるPower8やその次世代のPower9でNVlinkというnVidiaのGPUのチップ間通信の規格に対応してきています。デスクトップPCの標準的なPCIe 3.0 16レーンと比べて10倍近い帯域を実現している他、同一メモリ空間をCPUとGPUが共有して協調動作することも可能となっています。プログラミングのしやすさが飛躍的に向上するため、大きなセールスポイントとなっています。

IBMはPower8搭載のHPCサーバーとビッグデータサーバーをリリース

  • S822LC for HPC
    • 2ソケット、2U
    • 20コア(2.86-3.26Ghz)
    • 容量1TBバンド幅230GB/sのRAM(DIMM x32)
    • SATA2.5インチ x2
    • nVidia Pascal GPU x4
    • PCIe 3スロット、CAPI 3スロット
    • 空冷水冷両対応
  • S822LC for ビッグデータ
    • 2ソケット、2U
    • 20コア(2.86-3.26Ghz)
    • 容量512GBバンド幅115GB/sのRAM(DIMM x16)
    • SATA 3.5インチ x12
    • PCIe 5スロット、CAPI 4スロット
    • nVidia K80 2基まで増設可能

ほとんどの計算能力がGPUのものであるIBMのGPGPUサーバー

2UのHPC向けGPGPUラックサーバーとしてリリースされたS822LC for HPCですが、スペック値では97%がnVidia製の計算資源だそうです。IBMのPowerシリーズはGPGPUのアシストに回っていると言えます。その倍精度浮動小数点数演算能力は20TFLOPSで、24個程度並列に稼働させればTOP500に載ってしまうようです。搭載されているGPUは64GBのメモリを備えたP100のようです。このGPUは倍精度で5.3TFLOPSで動く他に単精度で10.6TFLOPS、半精度で21.2TFLOPS出るので、 2Uラックサーバーで半精度80TFLOPS出てしまうのかも知れません。とにかく単精度、半精度演算についても破格の演算能力を備えていると見て良いでしょう。かなり応用範囲の広いサーバーとなりそうです。

初のNVlink対応GPGPUサーバー

どうやらNVlinkに対応したCPUはIBMしか出して居ないようです。NVlinkに対応するメリットはその転送速度もそうですが、プログラムのしやすさが大きいでしょう。どんなスーパーコンピューターでも演算資源をきちんと使い切るようなプログラムが無ければ意味がありません。CPUがNVlinkに対応していることで簡単に実効効率が出るのであれば、今後確実にNVlink対応CPUはGPGPUのスタンダードとなり、後追いが出なければ、今後GPGPUサーバーの市場をIBMが独占していくことは確実でしょう。