中国のPhytium Technologyの64コアARMベースサーバー向けCPU「FT-2000/64」を発表。中国は革新的な企業だらけだ

中国のPhytium TechnologyがFT-2000(Mars)という64コアのCPUを発表しました。中国には本当にチャレンジ精神旺盛な企業が沢山あり毎度驚かされます。

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コアはARMv8カスタムアーキテクチャ「FTC661」

どうやらARMv8アーキテクチャそのままは使っていないようです。カスタムアーキテクチャは同社サイトでは「FTC661」と呼ばれており、カンファレンスなどではXiaomiコアなどと呼ばれています。同社によるとFPGAプロセッサとのヘテロジニアス構成に対応していて、拡張性の高いメインフレーム向けCPUとして売り出しているようです。16ものDDR3-1600メモリコントローラーを備え、帯域幅は204.8GB/sもあるそうです。PCIe 3.0に対応していて、x16で2つまたはx8で4つという使い分けが出来るそうです。メインフレーム向けらしくIOにも力を入れているのでしょう。

またさすが64コアと言うだけあって、一つのチップで512GFLOPSも出ます。100Wでこの数字ですのでなかなか優秀でしょう。ARMベースなので実効性能も出やすそうです。

IOに力を入れている点や、並列演算が得意な点などこれはIBMのPowerシリーズとよく似た構成だと思います。主な市場は大規模なサーバー用途でしょう。

次世代の天河シリーズに使われる

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同社は中国で名のあるハイエンドサーバー事業者だそうで、このプロセッサは天河二号のIntel Xeon Phiのリプレイスに使われるそうです。Xeon Phiを禁じられて性能が下がるかと思いきや大幅に引き上がり、神威太湖之光を一位の座から引きずり下ろし100PFLOPSを超える見込みだそうです。

ARMの時代は確実に来る

ARMプロセッサの怖いところアーキテクチャライセンスと言うライセンス形態の存在です。様々な分野ごとに最適な形のプロセッサがあり、当然最適な形のプロセッサが一番速いです。GPUの処理速度を見ればそれは明らかでしょう。しかし専用プロセッサの開発にはコストがかかり過ぎます。更にソフトウエア開発コストまでを考えると特定の市場規模の大きなジャンルでしか専用プロセッサは作られなくなります。しかしこのPhytium Technologyという中国の企業が受けたアーキテクチャライセンスは低コストにて専門性の高いプロセッサの製造が可能になります。これこそARMプロセッサの強みです。ARMアーキテクチャは専用プロセッサにもなれる汎用プロセッサという最良のポジションを確保するマーケティング手法をとっていると私は見ています。

中国半端ない

中国は人件費が上がり経済が破綻してもうすぐ終わるなどと言う人が居ますが、中国企業のイノベーティブな姿勢を考えるとそんなに簡単に終わるとは思えません。日本にARMプロセッサにチャンスを見出して市場を切り開くような姿勢があるでしょうか。既に日本よりも優秀な人材が中国で育っていると考えるべきです。少なくともビジネスに置いてはかなりの遅れを取っているように思えます。