OpenPOWER Foundation はx86を討てるか

nVidiaとIBMが組んだ

過去記事

IBMはnVidiaと協調してディープラーニーング向けコンピューター市場を狙う、NVlinkでnVidiaのGPUと繋がるPower8搭載サーバー登場

こちらでお伝えしたように、nVidiaとIBMは協調路線にあると見れます。IBMの次世代のフラッグシップ、POWER9ではNVlinkよりもさらに高性能なNVlink2.0に対応する予定ですし、POWERとGPGPUコプロセッサのヘテロジニアスコンピューティング環境を売りだそうと言う企業戦略が見られます。

この協調路線を正しく見る上で押さえておかなければいけない枠組み「OpenPOWER」

OpenPOWERは2013年12月にスタートしたPOWERコアの共同開発プロジェクトです。Google、IBM、Mellanox、nVidia、Tyanによって始められ、Canonical、サムスン電子、Micron、日立製作所、Emulex, Fusion-IO、SK Hynix、Xilinx、Jülich Supercomputer Center、Oregon State Universityなどが参加し、現在およそ270団体が協賛しているようです。

nVidia社とIBM社の協調路線と、POWER+GPGPUコプロセッサのモデルのGoogleへの採用はこのOpenPOWERプロジェクトが始まった時点、つまり2013年12月には見えていたことになります。

特筆すべき協賛団体は、Canonicalでしょうか。CanonicalはUbuntuの母体となっている南アフリカ共和国の企業です。現在Linuxには2つの巨大勢力があります。それがUbuntu(debian)系とRHEL(CentOS)系です。UbuntuはエンドユーザーにRHELはサーバーに使われることが多いのですが、サーバー向けのオープンなハードウエア開発プロジェクトにUbuntuの母体となる企業だけが参加しているというのは面白いです。

OpenPOWERの最近の動き

分析対象となるデータの規模が増え、コンピューティングは進化を余儀なくされています。OpenPOWER Foundationのプレジデントによれば、現在25億GB/dayのスピードで有用なデータが生み出されていて、その規模日々成長しているそうです。そのようなビッグデータの処理に対してコンピューティングそのものもブレイクスルーが必要であり、そこにx86の牙城を崩すチャンスがあります。OpenPOWER Foundationは最終的にはx86のシェアの20%から30%を奪うことが目標のようです。

OpenPOWERプロジェクトは現在ヨーロッパでの拡大を目指しているようです。現在ヨーロッパにはおよそ60の協賛団体があるそうです。Jülich Supercomputer Centerでのテストベッドの構築など、その活動の成果は着々と出ています。

過去記事

ドイツのJSCはIBMとCrayから二台のスパコンを納入したらしい

サーバー向けのPOWERアーキテクチャの勢力の復活はあり得るか

Googleへの採用が決まってしまった以上あり得ないとは言えないと思います。HPC界からの注目もアツいようで、アメリカのエクサスケールスーパーコンピューターはPOWER+GPGPUコプロセッサになるのでは無いかという噂もあります。確かなことは言えませんが、汎用スーパーコンピューターを設計する際の性能は確かにずば抜けているので、的外れとも言えません。フラッグシップが非インテルと言うのはあり得る話かと思います。

とにかく向こう10年のIT界を考える上で外せない存在となりそうです。