ポスト京はスーパーコンピューターのトップを狙わないという誤解

TOP500で語られることの多いスーパーコンピューターの性能

TOP500は大規模行列演算を解くベンチマークソフトの結果に基づくランキングです。しかし現代大規模行列演算を解くような用途にスーパーコンピューターの出る幕はありません。このベンチマークテストはスーパーコンピューターの黎明期に客観的に評価出来る指標が欲しいということで始まりましたが、現在では実情と全く合っていない参考にならないベンチマークです。世に言われている世界第何位のスーパーコンピューターと言うのは実はあまり意味がありません。

そもそもスーパーコンピューターの単一の指標では測れない

スーパーコンピューターの性能を単一の指標で図ることは不可能です。科学技術計算に必要な性能は様々だからです。TOP500で上位でも、TOP500がちょっと複雑な計算をやらせると様々な場所でボトルネックが発生し、途端に使い物にならなくなるようなこともあり得ます。どんな計算でもTOP500で出た性能の順番に速く終えるという認識は確実に間違っています。

「TOP500では」トップを狙わないポスト京

ポスト京は世界最高のコンピューターを作るプロジェクトです。でなければあんな破格の予算は付きません。京は間違いなく世界最高峰のスーパーコンピューターの一つであり続けていますがTOP500では五位となっています。TOP500の結果が実際の性能と乖離しているというのがポスト京チームの答えなのでしょう。例えばTOP500で現在一位である神威太湖之光は93PFLOPSで京の大体9倍の数字を叩き出して居ますが、Graph500では1.5倍以上の差を付けリードしています。Graph500はビッグデータの解析を想定したベンチマークテストですので、少なくともビッグデータ解析の分野では13.5倍もの乖離が起きていると言えます。これがポスト京が世界最高のスーパーコンピューターを狙わないと言うデマの正体です。

ポスト京は途方も無いスーパーコンピューターになる

1000PFLOPSつまり1EFLOPSクラスの演算能力を持つスーパーコンピューターはエクサスケールと呼ばれます。ポスト京はこれを大きく超えると言われています。京は「TOP500で」1京FLOPS、つまり10PFLOPSを目指して開発されたスーパーコンピューターです。その京がTOP500以外のベンチマークで評価されていることを考えると、始めからTOP500を無視し、実用性最高のスーパーコンピューターを目指すポスト京プロジェクトは一体どこまで行ってしまうのか。考えるだけでワクワクしています。

いつか有名になった「二位じゃダメなんですか」と言う言葉通りにプロジェクトが進んでいるようで面白いですね。確かにTOP500での一位に莫大な金をかけるメリットは無いのでしょう。欲しいのは世界最高のスーパーコンピューターであってTOP500でのNO.1では無いのですから。

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