日本の誇る純粋な科学計算用スーパーコンピューター京

実はHPC(High Performance Computing)の本場である日本

NECの「地球シュミレータ」や東工大のエコスパコン「TUBAME」、富士通と理研の「京」など日本は世界のスーパーコンピューター市場で唯一米国と張り合えるかもしれないという立ち位置にいます。特に京はその日本が威信をかけて作ったスーパーコンピューターと言えます。

1京FLOPS=10PFLOPSが注目されがちだが、真髄は実効効率

京の名の由来となった1京FLOPSという1秒間に1京回の演算が可能なレートは当然注目されますが、京が凄いのは実際に使うことを想定したベンチマーク番長とならないような設計でそれを達成したことです。単純な大規模行列演算から実際のビッグデータのマイニングまで高い性能を発揮します。単純な大規模行列演算で張り合うTOP500というランキングでは既にトップの座にはありませんが、データのマイニングではHPCCというランキングで一位にランクインしています。超強力な演算資源を持ち様々な演算で高い実効効率を発揮するコンピュータが京です。

Tofuインターコネクト

ネットワークの実効速度はご存知でしょうか、1GbEで秒間1ギガビット、つまり125メガバイトしか通信をすることができません。並列コンピューティングではこのネットワークのとてつもなく遅い速度がネックになる場合が多く、その傾向は複雑な演算であるほど高くなります。京は「Tofuインターコネクト」と名付けられる特殊なネットワークを備えています。六次元メッシュトーラスと呼ばれる構造で、二次元のトーラス、つまり円環構造のネットワークをさらに三次元のトーラス構造でつなぐことで、ネットワークの安定性を確保できると謳っています。このネットワークのおかげで、どこかのクラスタが故障しても演算を辞めることがありません。度々故障してしまう現在TOP500一位の中国のミルキーウェイと比べてその実用性は段違いに高いです。

演算資源をただ沢山繋げるだけのコンピュータでは無い「京」

汎用的なグラフィックスチップを沢山並列に繋いで科学技術計算に耐え得る性能を実現するGPGPUという方式で実現されたスーパーコンピュータがあります。既に市場にあるもので作るので低コストでスーパーコンピュータが実現できます。一番有名なGPGPU型のスーパーコンピュータは米クレイ社のTitanですが、全てが専用設計の京とは対照的なマシンと言えるでしょう。TOP500では京はTitanに負けていますが、様々なベンチマークで比べると京に軍配が上がることが多いです。ネットワークやプロセッサの水冷などに拘り、CPUにも専用の高機能なエラーチェックを組み込み、様々な仕組みで故障率の低さを確保し実用性を追求した完全専用設計の京は既存の演算資源を沢山繋いで実現したスーパーコンピュータを多くの場面で上回ります。

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