ABCIプロジェクト(AI Bridge Cloud Infrastructure)がアツい

たった3MWでFP32を130P OPSで回す

またも日本で凄まじいプロジェクトが生まれている模様です。このプロジェクトはAIに特化したスーパーコンピューターを作るプロジェクトで、FP32 (Floating Point 32 bit)を130P OPS (Operation Par Second)で回すようです。しかし最大の特徴はパワーでは無く電力効率で、なんとたったの3MWしか消費しないそうです。

不可解なスペック

ABCIのスペックなのですが、不可解な点があります。

  • FP32 FP16共に130P OPS

まず、FP32とFP16が同数なのです。これが何を意味しているかと言えば、このスーパーコンピューターに搭載されるプロセッサはnVIDIAのTesla P100でもIntelのXeon Phi KNLでも無いと言うことです。RISCメニーコアを用いるのでしょうか。

  • 3MWでFP32 130P OPS

次に電力効率ですが、あまりにも高すぎます。現在世界最高の電力効率を誇っているであろうTesla P100ですら、この電力効率はおそらく出せません。私の知らないプロセッサを使っていると言うことなのでしょう。詳細が出てくるのを待ちたいです。

PEZYか?

日本にはPEZYグループと言う世界最高峰のプロセッサベンチャーがあります。RISCウルトラメニーコアプロセッサを開発するPEZY Computing、浸漬液冷を用いた省電力システムを作るExaScaler、全く新しい構造の3D積層DRAMを開発するUltraMemoryの3社に今年の6月に超高効率のAI開発向けプロセッサを開発するDeep Insightsを創立し、計4社体制となっているようです。

このグループは底知れないものを持っています。理研にスーパーコンピューター菖蒲を提供し、3期連続でGreen500のトップを取りましたし、ExaScalerの製品であるZettaScalerは、現在演算資源の体積密度で世界一を誇っています。本当にとてつもない技術力を持っているグループです。

このグループなら3MWでFP32 130P OPSを達成出来てしまう気がします。最近Deep Insightsが設立されたばかりですし、AI開発用のスーパーコンピューターの話が舞い込んできてもおかしくは無いでしょう。

神威太湖之光と比較するのは間違い

130P FLOPSと言うことで、同じく100P FLOPS級の神威太湖之光が引き合いにだされることが多いようですが、これは間違いです。FP32とFP64の能力を比べてしまっています。科学技術計算用の神威太湖之光は科学技術計算で重視されるFP64だけを考えたような設計で、対して、ABCIは、FP16やFP32が重要なディープラーニング開発用の演算資源として組まれます。ディープラーニングでAI開発をしたいと言う需要は、今後爆発的に伸びると予想されています。

ABCIで日本のAIベンチャーが盛り上がると良いですね。