2016年11月のTOP500が発表されました、日本の京は7位に後退

Rank Site System Cores Rmax (TFlop/s) Rpeak (TFlop/s) Power (kW)
keep 1 National Supercomputing Center in Wuxi
China
Sunway TaihuLight – Sunway MPP, Sunway SW26010 260C 1.45GHz, Sunway
NRCPC
10,649,600 93,014.6 125,435.9 15,371
keep 2 National Super Computer Center in Guangzhou
China
Tianhe-2 (MilkyWay-2) – TH-IVB-FEP Cluster, Intel Xeon E5-2692 12C 2.200GHz, TH Express-2, Intel Xeon Phi 31S1P
NUDT
3,120,000 33,862.7 54,902.4 17,808
keep 3 DOE/SC/Oak Ridge National Laboratory
United States
Titan – Cray XK7 , Opteron 6274 16C 2.200GHz, Cray Gemini interconnect, NVIDIA K20x
Cray Inc.
560,640 17,590.0 27,112.5 8,209
keep 4 DOE/NNSA/LLNL
United States
Sequoia – BlueGene/Q, Power BQC 16C 1.60 GHz, Custom
IBM
1,572,864 17,173.2 20,132.7 7,890
new 5 DOE/SC/LBNL/NERSC
United States
Cori – Cray XC40, Intel Xeon Phi 7250 68C 1.4GHz, Aries interconnect
Cray Inc.
622,336 14,014.7 27,880.7 3,939
new 6 Joint Center for Advanced High Performance Computing
Japan
Oakforest-PACS – PRIMERGY CX1640 M1, Intel Xeon Phi 7250 68C 1.4GHz, Intel Omni-Path
Fujitsu
556,104 13,554.6 24,913.5 2,719
2down 7 RIKEN Advanced Institute for Computational Science (AICS)
Japan
K computer, SPARC64 VIIIfx 2.0GHz, Tofu interconnect
Fujitsu
705,024 10,510.0 11,280.4 12,660
keep 8 Swiss National Supercomputing Centre (CSCS)
Switzerland
Piz Daint – Cray XC50, Xeon E5-2690v3 12C 2.6GHz, Aries interconnect , NVIDIA Tesla P100
Cray Inc.
206,720 9,779.0 15,988.0 1,312
3down 9 DOE/SC/Argonne National Laboratory
United States
Mira – BlueGene/Q, Power BQC 16C 1.60GHz, Custom
IBM
786,432 8,586.6 10,066.3 3,945
3down 10 DOE/NNSA/LANL/SNL
United States
Trinity – Cray XC40, Xeon E5-2698v3 16C 2.3GHz, Aries interconnect
Cray Inc.
301,056 8,100.9 11,078.9 4,233

2016年11月のTOP500が発表されました。

上位10システム

上位10システムでは、まず日本の「K」は7位に後退したようです。日本のスーパーコンピューター「Oakforest-PACS」は6位にランクインし、似たようなシステムのUSの「Cori」も5位にランクインです。双方ともXeon Phi KNLを使用したシステムで、高い電力効率は未来のスーパーコンピューターを感じさせます。

また、スイスの「Piz Daint」はnVIDIAのフラッグシップP100を使って強化を図ったようで、8位から動きませんでした。P100を使用したシステムはトップ10の中ではPiz Daintのみとなり、Xeon Phi KNLにウルトラハイパフォーマンスシステムのアクセラレータとしては遅れを取っていると言えると思います。

TOP500で日本の京は計れない

日本の京は当初からTOP500での1位と10PFLOPS達成と言う目標を掲げ、日本の京のTOP500でのランクは常に注目されてきました。しかし京のとてつもない点はその効率にあり、TOP500では実力を計れないと言うことが指摘されています。

そもそも京なんて紛らわしい名前を付けるからTOP500でのスコアが注目されてしまったのですが、実際に走らせるプログラムで1京FLOPS=10PFLOPSも出ることはまずあり得ません。理論性能やそれに近いTOP500のスコアは参考値であって京の性能を表すわけでは無いと言うことに留意願います。ちなみにビッグデータ解析を模した実用的なプログラムを走らせるベンチマークテストGraph500では京は現在1位です。

TOP500全体について

  • 中国 108 -> 171
    108は2015年11月のTOP500にランクインしたスーパーコンピューターの数です。中国はTOP500にランクインするスーパーコンピューターシステムを、一年間で63も増やして来ました。中国のHPC分野での存在感は非常に高く、HPC大国と認めざるを得ません。

  • US 200 -> 171
    アメリカと中国はHPC分野で拮抗してると言えます。古くからスーパーコンピューターを引っ張ってきたアメリカですが、現在は中国に押され気味と言えるでしょう。

  • ドイツ 33 -> 32
    ドイツは現在世界で最もアツい国の一つでしょう。ベルリンのスタートアップシーンは世界で最も面白いとも言われています。そんなドイツにはユーリッチスーパーコンピューティングセンターと言うヨーロッパ最大規模のスーパーコンピューティングセンターがあります。HPC分野でも注目に値する国です。

  • 日本 37 -> 27
    日本は27のシステムがランクインしているようです。TOP10に2つもランクインしている割には少ないですね。大きなシステムにみんなでログインして計算能力をシェアするのが日本流と言うことでしょうか。10も減ってしまっていることは憂慮すべきでしょうか。

TOP500全体で言えば、日本がやっているのは3位争いのようです。既にアメリカと中国とは大きく水を開けられてしまっています。持っている技術が確かでも、そこまで計算需要が無いのでしょう。アメリカや中国も、軍事関連の研究という莫大な計算需要と、無尽蔵に付いてくる予算が無ければ、ここまで大量のスーパーコンピューターを作ることは無かったでしょう。

Post Kにアツい視線を注ごう

次に日本がHPC分野で世界と戦うのはPost Kでしょう。エクサスケール、つまり1000PFLOPSスケールの未知の領域のスーパーコンピューターです。Post Kは10nmで1000PFLOPSを達成する予定だったものを、より微細なプロセスの7nmに変更しています。エクサスケールをゆうに達成するものが出来る可能性があるということです。また既に高い効率を達成しているKとの互換性が重視されていて、高効率なスーパーコンピューターとなることも予想されています。

2022年、Post Kに注目していきましょう。