ARMコプロセッサボードの採用により強化を図る天河、40nmプロセスで驚異的な性能を叩きだした神威、中国は今やHPC大国となった

中国の躍進が止まらない

天河二号はHPC界に激震を与えました。2013年TOP500一位を取ると、そこから2015年まで一位に君臨し続けました。当時はIntel Xeon Phiを寄せ集めただけと言った意見や、故障への耐性が無いのでは無いかといった否定的な意見が散見されましたが、2016年に天河二号を破りTOP500一位に輝いたのは中国製チップ神威を搭載したマシンでした。驚くべきことにこのチップは40nmプロセスという非常に粗いプロセスで製造されています。本気を出せばもっと速くなる設計だと言うことです。

さらに中国はTOP500のランクイン数でもアメリカを抜き去り一位を獲得しました。質量ともにあるのが今の中国のHPC界の特徴だと言えます。

Phiを禁じられた天河は中国製のARMコプロセッサを搭載し巻き返す

米国は中国が軍事用途にPhiを使っているとして、Phiの中国の公的機関への提供を禁止しました。しかしPhiが無いのならと、中国国内のハイエンドARMサーバー事業で名のあるプロセッサメーカーPhytiumのARMコプロセッサを搭載して100PFLOPSスケールのスーパーコンピューターに進化するようです。中国は国内市場の規模が莫大なので海外からだと見えづらいですが、プロセッサメーカーの層も厚いということが伺えます。

スーパーコンピューターが今までの尺度で計れなくなる時代が来る

TOP500一位は世界最高のスーパーコンピューターの称号では無いと言う認識が定説となりつつあります。TOP500で計っているのはあくまで行列演算の速さです。コンピューターの高性能化に伴ってスーパーコンピューターで出来ることが増え、今や大規模なだけの単純な行列演算をスーパーコンピューターに解かせるということは殆ど無いと言っていいでしょう。TOP500での一位は参考にはなりますが、最高のスーパーコンピューターを決めるようなランキングではありません。

さらに今スーパーコンピューターはビッグデータの時代を目前にしています。今まで以上にデータIOが重要になることで、TOP500の順位と実際の性能は更に乖離していくでしょう。

中国は抜かり無し

ビッグデータ時代の性能の指標となると言われているGraph500というランキングがあります。このランキングでもTOP500一位の神威コアのスーパーコンピューターは二位を獲得しています。また、天河プロジェクトに使われると見られるARMコプロセッサは、IOやメモリの量を強化した仕様です。このことから、中国はビッグデータの時代の波に乗る準備はできていると見て良いです。今後も中国の動きには注視していきたいですね。

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