攻勢を強めるQualcomm、Windows on Snapdragon 835がノートPC市場に本格参入する

HP, Lenovo, ASUSへのSnapdragon 835の提供を発表したQualcomm

ComputexにてQualcommからHP, Lenovo, ASUSへのSnapdragon 835の提供が発表されました。MicrosoftはSnapdagon 835に対してWindows 10を対応させることを決定していて、この動きはWindowsノートPC市場へのARMベースチップの本格参入だと捉えられます。Qualcommによれば、Snapdragon 835を使用することによってバッテリー寿命が50%伸びるそうです。スマートフォン向けSoCの分野で勝者となったQualcommはノートPC市場でもシェアを獲得することが出来るのでしょうか。

鍵は4Gルータか

Qualcommのスマートフォン市場でのシェアは同社の移動通信技術の開発能力と特許に基づいています。現在主流となっているLTE通信に関する特許の多くを押さえていて、この点で右に出るチップメーカーはありません。

Snapdragon 835にはQualcomm’s X16 LTEモデムが内蔵されています。LTE Category 16 (downlink) LTE Category 13 (uplink)を誇り、Gigabitクラスの移動通信を謳っているこのチップが業界トップクラスの性能を誇っていることは言うまでもないでしょう。

無線機能はスマートフォンだけでなくモバイルノートPCにおいても重要だと考えられるので、QualcommのSnapdragonは既存のノートPC市場を大きく揺るがす可能性を秘めています。

IntelのCore mに匹敵するプロセッサ

Snapdragon 835に搭載されている独自設計のプロセッサの性能もかなり高性能なものとなっています。クロス・プラットフォーム・ベンチマークソフトGeekBench v4において、Snapdragon 835が搭載されたスマートフォンXiaomi Mi6のマルチコア・スコアはSurface Pro 4のCore m3モデル(Core m3-6Y30 Skylakeプロセッサ)のマルチコア・スコアを超えています。

  • Xiaomi MI 6
    • Operating System: Android 7.1.1
    • Processor: Qualcomm Qualcomm @ 1.90 GHz
    • 1 processor, 8 cores
    • Processor ID: ARM implementer 81 architecture 8 variant 10 part 2048 revision 1
    • Memory: 5731 MB

  • Single-Core Score: 1932
  • Multi-Core Score: 6784
ソース

https://browser.primatelabs.com/v4/cpu/2848614

  • Microsoft Corporation Surface Pro 4
    • Operating System: Microsoft Windows 10 Pro (64-bit)
    • Processor: Intel Core m3-6Y30 @ 1.50 GHz
    • 1 processor, 2 cores, 4 threads
    • Processor ID: GenuineIntel Family 6 Model 78 Stepping 3
    • Processor Codename: Skylake-U/Y
    • Processor Package: Socket 1168 BGA
    • L1 Instruction Cache: 32 KB x 2
    • L1 Data Cache: 32 KB x 2
    • L2 Cache: 256 KB x 2
    • L3 Cache: 4096 KB
    • Motherboard: Microsoft Corporation Surface Pro 4
    • Northbridge: Intel Skylake-U 08
    • Southbridge: Intel Skylake-Y PCH 21
    • BIOS: Microsoft Corporation 106.1624.768
    • Memory: 4024 MB DDR3 SDRAM 932MHz

  • Single-Core Score: 2958
  • Multi-Core Score: 5449
ソース

https://browser.primatelabs.com/v4/cpu/2621412

シングルコア・スコアを比較するとSurface Pro 4, Core m3モデルの方が53%高くなっていますが、マルチコア・スコアはXiaomi Mi6が24%高いスコアを出していることが分かります。Snapdragon 835はIntelのコアと勝負になる性能を有していると言うことです。

背景にスマートフォン市場での高いシェアのあるQualcomm

MicrosoftがWindowsをx86以外のCPUに対応させること自体は初めてではありませんが、既に巨大な市場を形成し今も成長を続けるスマートフォン市場での高いシェアを背景に持つQualcommのようなチップメーカーのチップに対応するのは初めてだと言えます。スケールメリットが効くことを考えれば、この点は無視出来るものでは無いでしょう。Qualcommはx86そのものに対する強力なライバルとなるでしょう。

大きくシェアを獲得することとなるか

スマートフォン市場は大きく伸びたとは言え、Windows PCに対する需要は底堅いものがあります。米IDCによる調査結果では、2016年第四四半期のPCのシェアはLenovo, HP, ASUSがそれぞれ1位、2位、5位となっていて、そのシェアはそれぞれ22.4%, 21.7%, 7.4%となっていて3社でPCマーケットの51.5%を占めることになります。上手くその価値を認めさせることに成功し、3社が一斉にSnapdragon PCを大々的に発売することになれば、大きなシェアを獲得する可能性もあります。Windows on Snapdragonの未来は明るいのかも知れません。

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ソース

https://www.extremetech.com/mobile/250100-qualcomm-inks-deal-build-snapdragon-835-gigabit-wireless-pcs-hp-lenovo-asus

https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS42214417

https://www.qualcomm.com/products/snapdragon/modems/4g-lte/x16

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