ヨーロッパのエクサスケールプロジェクト「モンブラン・プロジェクト」がARMアーキテクチャのCavium Thunder X2を使用したプロトタイプの制作を発表

モンブラン・プロジェクト

モンブラン・プロジェクトは、電力効率の良いコンピューティング環境を模索するヨーロッパの多くの企業が参加するプロジェクトです。モンブラン・プロジェクトの次のプロトタイプには、ARMアーキテクチャのCavium Thunder X2が使用されます。

ARMアーキテクチャのHPCシステムを制作した実績のあるAtos社が手がける

Atos社は、2015年に同プロジェクト内でARMアーキテクチャのHPCシステムを開発した実績を持つフランスの企業です。その時のプロトタイプにはExynos5(Cortex-A15 x2 Mali T604 x4)が使用され、OpenCLによってプログラミングが出来たようです。

今度のプロトタイプは、ARM64bitのサーバー向けCPUであるThunder X2が採用されます。このプロトタイプはエクサスケールクラスのシステムのコンピュートノードを目指して開発され、また、オペレーティングシステムやツール、アプリケーションなども同時に開発し、産業に応用出来る形に仕上げるようです。開発を通じて、ARMを用いたHPCシステムのためのソフトウエア群が発展すると見られています。

Cavium Thunder X2

Cavium Thunder X2は、2016年5月にロールアウトされたサーバー向けのARM64bit SoCです。14nm FinFETプロセスで製造され、54コアを誇り最大3GHzで駆動するメニーコアCPUです。デュアルプロセッサ構成が可能なようです。

コアごとに、64KBのインストラクションキャッシュと40KBのデータキャッシュがあります。また全てのコアでシェアする32MBのキャッシュも用意されています。Cavium Coherent Processor Interconnectという技術でコヒーレンシが取られています。

メモリコントローラーはDDR4 x6を備えています。デュアルソケット構成の場合最大で3TBのメインメモリを備えることが出来ます。

ネットワーク機能は充実しており、10/25/40/50/100GbEに対応しているようです。Caviumは業務用のネットワークチップなども手がけている会社です。

ARM向けのOSが充実してきた

ARM向けのOSも少しずつ充実してきています。ARM業界はプロセッサ毎に実装が異なるので、一概には言えませんが、Cavium Thunder X2は以下のOSに対応しているようです。

  • Ubuntu 16.04以降
  • Red hat Early Access for ARMv8
  • SUSE SLES SP2以降
  • CentOS 7.2以降
  • FreeBSD 11.0以降

サーバーやHPCシステムに多用される主要なLinux系OSは既に対応を表明しているようです。

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ソース

http://cavium.com/ThunderX2_ARM_Processors.html

http://www.montblanc-project.eu/press-corner/news/mont-blanc-project-selects-cavium%E2%80%99s-thunderx2%E2%84%A2-processor-its-new-arm-based-hpc