Linux Foundation傘下のオープンなHPCフレームワーク構築プロジェクトOpenHPCにARMプロセッサが対応

HPC向けへの動きを強めるARM

RISC設計であるはずのARMアーキテクチャの64bit対応という衝撃的な出来事から、ARMアーキテクチャはただのモバイルPC向けのCPUアーキテクチャでは無くなりました。2048bitまでの可変長SIMDという高度なベクトル演算命令SVEにも対応し、ARM社のHPC界での存在感は着々と高まっています。2022年までに完成予定の日本のエクサスケールスーパーコンピュータープロジェクト「Post K」には7nmのARMカスタムプロセッサが採用されるようで、今後更に存在感を高めて行くことが予想されます。

OpenHPCは比較的新しいプロジェクトです。2015年の11月12日、SC15というカンファレンスの際に発表され、現在次のメンバーが参加しているようです。

Allinea Software
Altair Engineering
ANSYS the Argonne National Laboratory
Atos
Barcelona Supercomputing Center
The Center for Research in Extreme Scale Technologies at Indiana University
Cray
Dassault Systemes SIMULIA
Dell
Fujitsu Systems Europe
Hewlett Packard Enterprise
Intel Corporation
Jülich Supercomputing Center
Lawrence Berkeley National Laboratory
Lawrence Livermore National Laboratory
Leibniz Supercomputing Center
Lenovo
Los Alamos National Laboratory
MSC Software
NEC
Oak Ridge National Laboratory
Pacific Northwest National Laboratory
ParTec
Penguin Computing
Pittsburgh Supercomputing Center
Sandia National Laboratories
SENAI CIMATEC
SUSE
Texas Advanced Computing Center

アメリカやヨーロッパの主要な研究所や、Intel Cray Dell HPEなどのIT界の超ビッグネーム、日本のFujituやNECなどが参加し、これ以上無い豪華なメンバーがこのプロジェクトに参加しています。

さて、ARMは早くもOpenHPCに対応したプロセッサを発表したようです。サーバー向けのメニーコアCPUを作っているCaviumや、スーパーコンピューターへの採用実績のあるLinuxディストリビューターSUSEなどのパートナーと協力しHPC界で存在感を高めていきたい考えのようです。

コンパイラも充実させてきた

さて、本当にシェアを獲得したいのであれば、ハードウエアだけでなくソフトウエアも重要です。ARMはSIMD命令Neonを使用するコンパイラ、及びSVEを使用するコンパイラをアナウンスしました。フロントエンドC++/Cだそうで、SVEを使用するコンパイラでは、自動でベクトル化をするそうです。可変長と言う性質上どれだけ実効性能が出るかが分かりませんが、とにかくSVEに高度に対応するコンパイラを作るつもりのようです。

ARMの健闘を祈る

ARMはなんと日本のソフトバンクに買収されます。正直言ってここ最近で最も衝撃的なニュースでした。ARMは成長を続ける巨大市場であるモバイル市場をバックボーンに、今後のIT界を支えて行くであろう企業です。HPC向け製品での勝負はまだまだ始まったばかりですが、健闘を祈りたいです。

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