EPYCの製造コストについての情報が明かされる

Hot Chips 29でEPYCの製造コストについての情報が明かされる

Hot Chips 29にて、EPYCについての発表がなされ、その中でEPYCの製造コストについての情報が明かされました。

MCMとすることで製造コストが59%に削減された

EPYCのコストの低さは、その製造方法に支えられています。EPYCは8コアを搭載するZeppelinダイ4つをパッケージ化することによって32コアのCPUとして販売されていますが、これにより1つあたりのダイサイズを小さくすることが出来ます。一般的に、小さなダイの方が製造する際の歩留まりが良く、製造コストを抑えることが出来ます。

8コアのZeppelinダイは213mm^2で、もし1つのダイで完結するモノリシックなCPUを製造した場合、そのダイサイズは777mm^2となっていたようです。トータルではZeppelinダイが4つで852mm^2と、モノリシックで製造した場合の777mm^2よりも10%程度余分にシリコンを使っていますが、歩留まりの改善により、製造コストが59%に削減されてようです。

これは、EPYCをもしモノリシックで作っていた場合、1.7倍のコストがかかっていたことを示します。EPYCの最も安価な32コア・モデルは3,400ドルのEPYC 7501ですが、もしモノリシックで製造した場合1.7倍の5,780ドルとなっていた可能性があるということです。最上位モデルのEPYC 7601はこれよりも高い価格となったでしょう。

MCMを支えるInfinity Fabric

AMDによると、EPYC内部のInfinity Fabricにて接続される4つのダイのダイ間の通信にかかる電力コストは2pj/bitまでに抑えられ、また、ソケットを跨いだ通信についても9pj/bitに抑えられているようです。

帯域幅は広く、1つのダイからその他の3つのダイへ伸びる3本のリンクは、全て39.74GiB/sの帯域幅を持ちます。チップ間のインターコネクトは、片側のCPUの各ダイから伸びる35.3GiB/sのリンクがもう1つのCPUの各ダイへと繋がるという方式を取っています。

CPU間のインターコネクトの帯域幅は合計で141.2GiB/s、ダイあたりの帯域幅は154.52GiB/sとなっています。非常に広い帯域幅を有することが分かります。

AMDはZen世代のCPUについて最大8コアのZeppelinダイを製造するに留まりますが、基本となるコンピューティング・ブロックを効率良く接続するInfinity Fabricによって、モノリシックなCPUに近い性能を持つ32コアCPUとしてEPYCをラインナップすることに成功しました。

消費電力も抑えられているEPYC

プロセッサを購入し、運用する際のコストには、消費電力に関するコストが含まれます。

EPYCのTDPは180Wに抑えられています。Anandtechによるテストでは、2プロセッサ・システムでMySQLのベスト・スループット、最小レスポンス・タイムのベンチマークにおける消費電力は321W、POV-Rayの100% CPUロード時の消費電力は327Wとなっています。

また、Serve The HomeによるテストではGROMACSという分子動力学法のシミュレーション・ソフトにてAVX2ワークロードを実行させた際の消費電力は483Wとなったようです。Serve The Homeはこの消費電力を128スレッドで500W未満であれば優れていると評しています。

条件によって消費電力も変わってくると考えられますが、EPYCは消費電力という観点から見ても、優秀なコストパフォーマンスだと言えそうです。

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ソース

https://www.servethehome.com/amd-epyc-infinity-fabric-update-mcm-cost-savings/

https://en.wikichip.org/wiki/amd/infinity_fabric

http://www.anandtech.com/show/11544/intel-skylake-ep-vs-amd-epyc-7000-cpu-battle-of-the-decade/22

https://www.servethehome.com/amd-epyc-7601-dual-socket-early-power-consumption-observations/

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