Ryzenブランド最初のCPU Summit Ridgeは序章に過ぎない、AMDの5ヵ年計画

2015年に発表された2015年から2020年のロードマップでも語られていたAPU

2015年に発表された5年にわたるロードマップには、Zenとして実現した仮想マルチスレッディングを備えた新しいx86アーキテクチャのCPUへの言及や、ARMプロセッサK12への言及の他に、全ての人にメリットをもたらすGPUやAPUと言うコンセプトが語られています。AMDがこのようなコンセプトを打ち出すのは初めてでは無いですが、様々な技術的課題により実現はしていませんでした。AMDがGPUブランドのATIを買収し、CPUとGPUを融合させたAPUの開発を始めたのが2006年ですので、10年以上も前からAMDはAPUの開発に注力していることになります。

APUをHPC(High Performance Computing)向けにリリースすることも語られていた。

ZenとVEGA(開発コード Greenland)を搭載するAPUは2015年の時点で既に噂になっていました。2016年4月には中国の巨大なHPCベンダーSugonとのジョイント・ベンチャー化が発表されています。同社は中国のエクサスケールプロジェクトにも名乗りを上げており、AMDのAPUをベースとした巨大なシステムが制作されることを伺わせます。

APUにはCPUとGPUを繋ぐ技術として、100GB/sのCoherent Fabricが搭載されるようです。同技術はPCIeのレイテンシにも依存しないようで、統合されるGPUが低遅延で動くのでは無いかと言われています。また、APU内部のGPU小さなフットプリントでも大容量、高帯域化が可能なHBMがAPUモジュール内に統合されるのではないかと言われています。HPC向けのAPUを製造する上でキーとなる技術は2015年以降続々と発表されています。

Radeon Technology Groupを立ち上げ、GPGPU向けの機能も備えたVEGAを開発

今のAMDは何かが違うと言うことは多くの人が感じているところかと思いますが、その要因の1つにLisa su氏による組織の整理が挙げられるかと思います。これまでデスクトップ向けとノート向けで別々に設計していたCPUアーキテクチャがZenに統一された他に、Radeon Technology Groupと呼ばれるグループが誕生していたようです。

Zenの開発は非常に上手く行ったことがSummit Ridgeによって知れ渡りましたが、同じ時期にRadeon Technology GroupがGPUの開発に注力していたことにも着目すべきでしょう。より汎用なGPGPU環境を構築する基礎となるもうひとつのピースであるVEGAがもうすぐ幕切りとなります。

VEGAの詳細についてはまだ明らかになっていませんが、16bitの理論性能が32bitの倍、8bitの理論性能が16bitの倍となっている他、HBC(High Bandwidth Cache)という新技術が搭載されることが明かされています。より高クロックで動作し、より1クロック辺りの性能を上げることを主張していて、個人的にはかつてない進化が見られるのでは無いかと期待しています。2017年中に理想的なAPUを構成するためのコンポーネントが揃う可能性があります。

もしIntelとAMDが競合するのであれば、これから発表されるラインナップが鍵となる

AMDはGPGPU環境として、CPU-GPU間の帯域幅がPCIe 3.0 x16で十分な場合は128レーンを誇るNaplesのフラッグシップを、CPU-GPU間の帯域幅がより必要な場合は豊かな帯域幅を持つCoherent Fabricで接続されるAPUを提供出来ることになります。それに加えて電力効率が重要な場合にK12と言う名前で開発されているARMアーキテクチャのCPUも用意されています。AMDはもうすぐ満を持してサーバー向けのCPU市場に戻って来ます。このラインナップはIntelにとって、Zen 8コアのデスクトップ向けCPU Summit Ridgeが自社のデスクトップ向けCPUに肉薄したこと以上に脅威でしょう。

また、ZenアーキテクチャのCPUが搭載されるRaven RidgeはモバイルPC向けのラインナップも予定しています。既にSummit Ridgeが、それに冠されたRyzenと言う名前で大きな話題となっていますが、Raven RidgeにもRyzenブランドが冠されるようです。バッテリーで駆動することが前提のモバイルPCでは、デスクトップPCとは違った技術が要求されますので、デスクトップPCに向けた製品の性能で肩を並べることとは別の話になります。

モバイルPC向けRaven Ridgeには最小でTDP 4Wのラインナップが存在するようです。Intelがウルトラブックやタブレット向けに提供しているCPUがTDP 4.5Wであることを考えると、そのような製品と競合するモデルも出てくるのでは無いでしょうか。まだ詳細は明かされていませんが、売れているモバイル・コンピューターのシリーズにRyzenが搭載される未来が来るのかもしれません。

関連記事

遂に発売直前!話題のRyzenとは何か、Ryzen以前のAMDと何が違うのか解説

Ryzen 7 1800XがSniper Elite 4、4K解像度、RX 480 x2 CFXでのフレームレートでCore i7 6900Kを12%上回る

Ryzenの後に続く14nm FinFETのZenベースAPUにフォーカス

中国のエクサスケールに名乗りを上げると見られるSugonはZenとVEGAとHBMの最強APUを使うらしい

ソース

http://fudzilla.com/news/processors/38380-amd-x86-16-core-heterogenous-ehp-processor-detailed

http://www.fudzilla.com/news/processors/37395-amd-announces-glorious-five-year-plan

http://www.fudzilla.com/news/processors/40489-amd-to-announce-sugon-deal

http://wccftech.com/amd-coherent-interconnect-fabric-gpus-cpus-apus/

http://wccftech.com/amd-raven-ridge-apu-vega-zen-hbm-2017/

http://wccftech.com/amd-vega-gpu-pictures-hbm2-official/

Add a Comment

メールアドレスの入力は任意です。(公開されることはありません)