AMDはCUDAに対抗出来るか、「ROCm1.3」発表

AMD「ROCm1.3」発表

先日開催されたSC16にて、AMDのCUDAに対抗するフレームワーク「ROCm(Radeon Open Compute Platform)」のバージョン1.3が発表されました。HPCの分野で先行しているnVIDIAに対して、巻き返しを図りたい考えのようです。

「ROCm」はオープンなプラットフォーム

AMDがCUDAに対抗するために用意した秘策は、プラットフォームをオープンにすることでしょう。この点は特筆すべきです。

AMDは既にLinux向けのドライバーをオープンソース化しています。プラットフォームをオープンにしていくと言う方針は様々な企業で見られ、例えばIBMはPOWERの仕様をオープンにし、OpenPOWER Foundationを立ち上げましたし、MicrosoftのディープラーニングプラットフォームCNTKもオープンソースになりました。「オープン」という言葉はIT界の隠れたバズワードであり、確実に成果を出している開発形態でもあります。

Radeon Open Compute Platformは、AMDのオープンなコンピューティングプラットフォーム開発を、従来のLinux向けドライバの開発から、Linux向けコンピューティングプラットフォーム全体にまで広げる動きです。AMDがHPC界で戦うために選んだ戦略は「オープンプラットフォーム」なのでしょう。

LLVMに正式に対応

CUDAはフロントエンドが縛られています。CUDAと言えばプログラミング言語を指す場合もあるほど、CUDAのCライクなフロントエンドは有名です。

ROCmではフロントエンドは縛られません。今回のアップデートでは正式にLLVMに対応しCLANGなどからGCNアーキテクチャのネイティブISAが吐けるようなるようです。従来のようにOpenCLからもアクセス出来ます。この辺りはオープンなプラットフォームの強みで、さまざまな言語からGPUの計算資源にアクセス出来るようになります。

初のオープンなGPGPUプラットフォーム

ROCmの発展を見ていると、自分がGPGPUが変わる瞬間に居ることを感じます。今までGPGPUと言えばほぼCUDA一択でした、CUDAはハードウエアからフロントエンドまでを一括で一つの会社が開発しているため、非常にクローズドなプラットフォームでした。

ROCmはオープンなGPGPUプラットフォームです。フロントエンドはどんどん洗練されて行くでしょうし、実効性能でCUDAに追いつく日も近いのでは無いのでしょうか。さらにROCmでGPGPUはより一般的になるでしょう。特にLLVMへの対応は超ビッグニュースで、GCNのISAを様々な言語から吐けるようになります。最高にアツいです。

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