3D積層フラッシュメモリがHPCを変える、不揮発性の大容量フラッシュメモリが次のスーパーコンピューターのトレンドだ

遅いSSD、速いSDRAM

SSDはHDDと比べればとてつもなく高速ですが、揮発性のSDRAMと比べればまだまだ遅いです。ようやく2G[B/s]を超えだしたSSDに対して、DDR4-2400は19.2G[B/s]もあります。ドライブにSWAP領域を切ってRAMの一部機能を代替させることも出来ますが、高速なドライブを使ってもほぼ10倍は遅くなる計算になります。

SSDはドライブと言うにはあまりにも速すぎます。そこに目をつけSSDを不揮発性の大容量キャッシュとして使うAMDのRadeon Pro SSGのような技術が出始めています。Radeon Pro SSGは内部的にPCIe x4モードのM.2を2つRAID 0で接続した形になっているそうで、理論値で片方向8G[B/s]出る計算ですが、内部的に使われているSSDは実測値R/Wが2.5G[B/s]/1.5G[B/s]ののSamsung 950 Proだそうで、実際には5G[B/s]/3G[B/s]しか出ないでしょう。GPU用のメモリは200G[B/s]や300G[B/s]というとても広い帯域幅を実現しているので、やはり現代的な超高速SSDも超低速なキャッシュ以上にはなれません。

なお便宜上SSDという語を使いましたが、ドライブとして使われていないフラッシュメモリは正確にはSSDとは言いません。以下不揮発メモリ又はフラッシュメモリという語を使います。

不揮発メモリ界の最大級のブレイクスルー「3D積層化」の波

そんな不揮発メモリ界に最大級のブレイクスルーが起こっています。それが3D積層化です。かつて平面にしか配置できなかった記録用のセルを立体的に配置することで、高集積化し、さらには速度を大幅に向上させることが期待されています。その中でも特に大注目なのが、「3D Xpoint」です。

3D XpointはIntelとMicronが共同で開発したフラッシュメモリの方式で、SSDとSDRAMの間をギャップを埋める技術として開発されました。前述したようにドライブとSDRAMには大きな性能のギャップがあり、ドライブをSDRAMのように使うには無理がありました。しかし3D Xpointはその高速さによりそのような従来無茶だとされてきた使い方も可能になります。

また、従来のNANDフラッシュも3D積層化が進んでいて。現在64レイヤーの3D NANDフラッシュ技術が存在しています。NANDフラッシュは東芝が開発した技術で、この64レイヤーの3D NANDフラッシュメモリも東芝が世界で始めて成功しました。日本人として特筆したい点です。

これらの量産化、製品化は来年度以降になると見られて居ますが、ワンランク速くなったフラッシュメモリは世界を変えると言われています。

HPCを変える

このような3D積層化とそれによる高速化はIoTの時代のビックデータのサイズの爆発に対応します。現在のビッグデータはテラバイトオーダクラスの大きさデータを指しますが、IoTの時代に移行し、もっととてつもない量のデータを収集出来るようになると、ペタバイト、エクサバイトオーダクラスのビッグデータも登場して来ることが予想されています。このような時代が来た時に、従来のHPCシステムのメモリの量は桁で足りなくなります。

3D積層化不揮発メモリはこれを解決するかも知れません。ドライブを含めてメモリと呼ばれる時代が来るかもしれないということです。実際AMDのSSGではGPUのラストレベルキャッシュとして今までドライブとして使われていたものが使われていますし、誇張でも何でも無く、今までドライブだったものがメモリとして扱われる時代が幕を明けると思います。そしてIoTを後押しし、時代を次のステージに引き上げるでしょう。ドライブの高速化にはこれからも注目していきたいですね。

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