Intel VS GF VS TSMC 三つ巴のプロセス競争を勝ち抜くのはどこか

自社工場を持つIntel、米Global Foundriesと契約するAMD、台湾TSMCと契約するnVidia

世界で大量のプロセッサを売り上げるIntel、AMD、nVidiaの三社ですが、この三社の間では製造プロセスの微細化競争が長年行われてきました。既にGlobal Foundries(以下GF)は2018年の後半に7nmプロセスの製造を始めることを発表していますし、TSMCは2018年前半に7nmプロセスの製造を始め、2020年には5nmプロセスの製造を始めることを発表しています。10nm未満のプロセスの時代はすぐそこまで迫っているのです。

プロセスの改良競争は終わらない

微細化競争はコアあたりの性能が頭打ちになって近々終わると言う見方があるようですが、私はそうは思いません。コアあたり性能が頭打ちになったとしても、ロジックの密度が上がりコア数が増えればソフトウエア的な処理の並列化によって性能が得られるからです。確かにコア辺りの性能の向上は難しくなるかと思いますが、多コア化によって性能を得る方向にシフトするだけで、微細化競争を終わらせるようなものでは無いと思います。

また、より高度なモバイルプロセッサの需要も伸びていくかと思います。VRなどの次世代のエンターテイメント市場が拡大すると共に、高度なグラフィックス性能を持つモバイルデバイスの需要が上がるはずです。プロセスの微細化は省電力化に大きく貢献するので、高性能なモバイルデバイスの需要は即ち微細なプロセスの需要です。

半導体の製造プロセスは、今後「nm」のような距離の単位で性能を測ることは出来なくなるかもしれませんが、今後暫く続くでしょう。

この先数年を制すであろう台湾TSMC

10nm、7nm辺りでは台湾TSMCが一歩進んでいるという印象があります。10nmについては2017年前半には実用化するようですし、7nmも2018年の前半に実用化するようです。それ未満の超微細プロセスに言及しているのはTSMCだけですし、7nmの時代まではTSMCが世界をリードするでしょう。今年のnVidiaは絶好調ですし、恐らく資金も潤沢なはずです。

また台湾TSMCにはモバイルの莫大なマーケットでも強いです。中国のARM系のプロセッサメーカーなどは殆どTSMCに製造を委託していますし、米Apple、米Qualcomm、台湾Mediatekなどの主要なモバイルチップメーカーはTSMCに製造を委託しています。28nmプロセスが特にコストパフォーマンスに優れるらしく、28nmプロセスで作られたARMモバイルプロセッサは未だに多いです。QualcommはGFとも業務提携をしているので、TSMCがモバイル市場を独占しているとは言えませんが、TSMCはモバイルでも強いと言うことは確実に言えます。

2020年以降の鍵はEUVL

EUVLとはExtreme Ultra Violet Lithographyの略で、波長がとてつもなく短い紫外線EUVで行う露光技術のことです。紫外線とは波長が10nmから400nmの光のことを言いますが、微細なプロセスの開発競争は、紫外線のレーザーの開発競争と言っても過言ではありません。レンズに光が通る時、その波長が短いほど細かい照射が出来るので、レーザーの波長の短さが実用的なプロセスルールの細かさに直接影響して来ます。

現在実用化されうるEUV光源は波長13.5nmのものだそうで、これは現在主流の193nmのArFエキシマレーザーと比べて大幅に波長が短いです。もしこれが実現すれば今まで考えられなかった超微細なプロセスが実現することが見込めるようです。

現在Global FoundriesやTSMCはこのEUVL光源を開発中で、どうやら2020年辺りに実用化される見込みがあるようです。その先の開発競争はまだ全く読めません。面白い開発競争を繰り広げてもらいたいですね。

Add a Comment

メールアドレスの入力は任意です。(公開されることはありません)